3月9日(土) 日テレ 21:00~ 「泣くな、はらちゃん」第8話放送
…なんと!殺しちゃっていたのですねキャラ全員……あらビックリ。
矢東さん、他のキャラはともかく、少なくともユキ姉のことだけは、作中で殺すことはしていないだろうとふんでいたのですが…現実世界で会っているだろうから。そういう相手のことはいくら作中といえども殺すには忍びないんじゃないかと、だからまさかキャラ全員殺した、という可能性は完全に外して考えていたのだけど……いや~清清しいまでに全く当たらないところがいっそすごいよな、私の予想(笑)。ユキ姉だけが昔の記憶を持っているという謎も解明されなかったし…。なんで解明してくれないんだーーー気になる気になる、気になるよー(笑)。そこまでは特に詳細設定されてないのかなあ。全員一緒に殺されてしまっているなら、ユキ姉だけ記憶残存ってのはますます不思議で。現実世界に行ったことのある人だけ、記憶が残るのかなあ。それとも、外の世界に出てすぐ一直線に越前さんに辿り着いたはらちゃんのように、本当にあくまでただの偶然でしかないのか、記憶のあるなしは。うーむ。それともそれこそが神の采配か?いずれにしても、マンガ世界が復活した時に、自分だけ記憶を持っているという状況は、ユキ姉を愕然とさせただろうと思うけど。
百合子さん=矢東さんがやっと確定したのはスッとしたけど、キャラを殺すのが忍びないどころか、むしろ出会ってしまったことで、神様として扱われることで、逆に恐くなって殺してしまった、この心理は全然思いつかなかったなあ……。それも未発表のままで。とにかくキャラ全員終わりにしたくて、死んでいるシーンだけ描いたっぽいですねえ。前後のシーンとかなしに。ていうか、矢東マンガってキャラあれだけしかいないのか?というツッコミは置いとくとして、矢東さんに初めて出会って「私達を捨てないで」と愁訴するユキ姉が、ああ、ユキ姉もかつては今のはらちゃんのように、純粋に神様のことを信じていたのかなという雰囲気があって、今のユキ姉の雰囲気とは異なっていることに、驚き&感心。そうやって直訴したのに、信じていたのに、裏切られて、人間不信ならぬ神様不信になったのだなあという事情が垣間見えて、ほろりとユキ姉に同情。
矢東さんのほうもね、ある日いきなり何も描けなくなってスランプに陥って苦しんでいたところに、突然、あなたは神様ですと目の前から重圧かかるようになったんじゃ、そりゃ逃げもするかもなあという感が。何しろいくら愁訴されたところで、描けなくなっているのだから…。実体を見たんじゃ、ますます描き難くなるだろうし(はらちゃんを自分の代弁者にはできなくなった越前さんのように)。
神様扱いされることについては、越前さんもそれなりに思うところや迷いがありそうだけど、矢東さんとはまたちょっと違った反応なのは、やはり商業マンガ家であった人と、あくまで遊びとして描いていた人との差かな。いや、スランプ中だったのが一番の原因なのだろーか?精神的にかなりキテる感じでしたもんね、スランプ中の矢東さん。
そのあたりのひろ子の演技が、なんかこう、やっぱ感情がMAXでふきだしてくるような場面は、まだちょっと力みあるかなあと思った(感想書いてないけど、去年の24時間テレビのドラマもそういう印象。口ずさみながら海?川?に入っていくシーンの表情は素晴らしく良かったですが)んですけど、ひろ子ってなんというかあまり定型の演技をしない部分があって(そういうとこが好き)、それが、精神的に参っててちょっとテンションおかしくなっている矢東さん、を表現する部分に出ていたのだとすれば、まあ力みというわけでもなかったのかなあとも思いますが…。
ユキ姉の演技は完璧。あと、百合子さんが矢東さんだと知った時の越前さん(麻生さん)のハイテンションぶりもすごく良かった。ミーハーすぎる(笑)。越前さんがあれだけハイテンションになるのはちょっと予想外だったけど、いや確かにそういうのあるある的なはしゃぎ方で笑った。マンガちっくともいえるかな。いきなり走り出したところとか。マンガのコマによくあるっしょ(笑)。でも冷静に考えると、二次創作で勝手に改変して描いてるの、原作者(しかも前からの知人)にバレてる現状ってかなり恥ずかしくないか、越前さん(笑)。
しかし、実際にユキ姉に捨てないでと直訴されたにも関わらず殺してしまったから、ユキ姉に対してはすごく後ろめたい様子だったのですねえ…百合子さん。でもキャラ全員を殺していたなら、はらちゃんにも何がしかの後ろめたい雰囲気がもっと初回からあっても良かったのでは…という気も。何話だったかな、氷枕を片手にはらちゃんとしゃべっている時に何か言い出し難いことを言おうとしていたシーンは確かにあったけど、今にして思えば、殺して神様(マンガ家)としての責任を放棄したという自責の念があったにしては、序盤のはらちゃんへの対応はあまりに能天気すぎやしないか。それとも越前さんに語っていたように、復活したはらちゃんを見て、ああ、生きていてくれたんだとただ嬉しかっただけなのか?微妙……。
マンガ家時代の矢東さんが、ユキ姉にそっくりの格好だったのは、やはりユキ姉は矢東さんの代弁者、矢東さんが投影されたキャラだったことの証なのだろうか。
あ、そうそう、それでユキ姉が初めて矢東宅へ入ったシーン。
あの時点で既に全集が出ていたのですね。全8巻。てことは、原作未完のまま放置→ある程度年月が経ってとりあえず出版社が先生、全集出しましょうよ、てことになったのか、あるいは、原作は一応のところ完結していたけど、その後の作品が描けなくなった(=それ以上描くテーマがなくなってしまった?)という意味でスランプ(で、かつてのキャラを借りてなんとか新作を描こうと悪戦苦闘中だった?)だったのかは謎だけど、どうもはらちゃん達だけで全集が出ているっぽいことを考えると、はらちゃん達は、ある一つの連載作品のキャラというよりは(それだったら全集にタイトルが入ってそう)、シリーズ物としての短編(あるいは一部連載作品を含む)作品群のキャラだったのかなー。
その矢東版はらちゃんマンガが公式サイトで一部読めますが、作風も当然のことながら、絵自体、越前さん版とは微妙に雰囲気違っていて、芸が細かい。矢東版には、きちんと海も描かれてるし。背景がちゃんと凝ってる(笑)。内容もシリアス?なのか?なんかこうニヒルそうね、はらちゃんも。70年代のチャンピオンとかに載ってそう…と思ったけど、女性マンガ家だけど、描いていたのは少年マンガか、はたまた青年マンガだったのか?高橋留美子的な?
なんと原作では、笑いおじさんとユキ姉は元恋人(あるいは夫婦)同士設定だったのか?ということにもビックリ(笑)。笑いおじさん、百合子さんに聞けば本名を知ることができそう。
百合子さんが屋上?から原稿を投げ捨てる(やめなさい、不法投棄は。つーか危ないだろが)前は、ちゃんと原稿にユキ姉の絵あるのに、ユキ姉が出てきた後は、原稿からユキ姉の姿が消えてたのも芸細かい。
越前さん達に真実を告げた後、一人歩く百合子さん「どこに行きますかねえ…」と呟いていたけど、正体がバレた&ユキ姉達に合わせる顔がない?百合子さんがどこかへ行方をくらますつもりなのか、それとも越前さんとはらちゃんの行く末を案じての発言なのか?謎。
百合子さんの今後としては、マンガ家復帰することが一番望まれる結末だと思う(何しろ現状を「逃げた」とか「余生」と表現されてるわけだし)のだけど、ただある日いきなり描けなくなってしまった人が、そんなに簡単に創作能力復活するもんなのか?てのもよくわかんない(描けなくなったのが突然なら、描けるようになるのもまた突然なのだろうか。でも実際のところ才能の限界ってあると思うしな…)し、仮に復活するのであれば、やはり越前さんとはらちゃんの恋の行方がきっかけになるのかなあ…?とかいろいろまた無駄に予想。
どうしても矢東さん=百合子さん関連の感想ばっかになってしまいますが、あ、なんかいじらしくていいなーと思っていた悪魔さんの田中さんへの片思いが、マキヒロと出会うことで、あらあらそっちへ行っちゃうのと、多少なりとも残念というか、ちょっと意外に感じていた(だってバレンタインの回で、絶対二人上手くいくと思ったのに。田中さんと悪魔さん)ら、どうやら今回で再び悪魔さんの気持ちは田中さんへと戻りそうでホッ。いやまあマキヒロでもいいんだけど。田中さんはユキ姉にメロメロだし(笑)。オモチャで無邪気に遊ぶマキヒロに、…幼い…?とちょっと幻滅したかのような様子は、残酷なようだけど実際有り得る心理変化かな。女心と秋の空、かくも女性心理は些細なことで揺れ動く。そもそもマキヒロに惹かれたのも、向こうから好意を示してくれたという(悪魔さん的に)稀な体験による、一種の浮かれ気分、気の迷いみたいなもんだろうし。
もし悪魔さんと田中さんが最終的に上手くいくなら、こちらは現実世界の人間同士の恋愛ということで、越前さんとはらちゃんの組み合わせと対称になるし。
つか、越前さんとはらちゃんもさ、上手くいって欲しいけど、現実世界で上手くいくにはやっぱ、はらちゃんがちゃんと人間になる、という展開がないとダメっぽそうな気がするなあ…。マンガの世界の人間のまま現実世界にとどまる、という展開ではなくて、どこかで一度きちんと人間にならないと。だってはらちゃんってきっと年取らないんだろうし…。マンガのまま現実世界で結ばれるには、やはり無理がある感じが。
ただその場合、はらちゃんが人間になる場合、マンガのキャラだった頃の記憶は保持されるのか?という新たな問題も生じるわけで。うーん、前途多難すぎる。
あ、今回ホワイトデーだからと、越前さんに箱いっぱいに5000円分のキャンディを買ってきてドヤ顔(笑)するはらちゃんのシーンが、なんかすごくジーンときたな。第2話だっけ、越前さんに黙っててと言われて、ほっぺた膨らませて一生懸命しゃべるの我慢していたシーンと同じぐらいに。
なんだろな、やっぱりああいう純度100%みたいなシーンが一番ぐっとくるかも。普通では有り得ないぐらいの純粋無垢さが、それはたとえてみれば、小さな子供が本当に可愛く微笑ましく思えるのと同じことなんだけど、やってるのがいい年した大人だから(笑)、尚更ファンタジーとして綺麗に映るのかも。
さて、今朝のラジオでひろ子が今回の役をやるにあたって、岡崎京子と萩尾望都と弓月光のマンガを読んだと言っていたけど、岡崎京子と萩尾望都はまあありがちなチョイスだとして(たぶん、マンガを読んでみたいけど何がいい?と大人が誰かに相談したら、回答として返ってくる率高いマンガ家、という意味で)、弓月光はちょっと意外な…。ま、まあ作品にもよるけど(笑)、いったい何を読んだのであろうか…よもやひろ子の口から弓月光の名を聞くことになろうとは…(笑)。ひろ子は世代的にはモロ24年組全盛期の世代ですかね。ていうか、矢東さんってどのあたりのイメージなのかな。自分的には内田善美あたりをイメージしてたけど。もしくは岡田あーみんとか?(どちらも断筆のイメージから)
ひろ子ってそういえばマンガ読まない人なんだっけと、久しぶりに思い出したけど、数ある出演作の中でも、マンガ原作って意外に少ないですね。「三丁目の夕日」と「翔んだカップル」、あとは「鉄人28号」ぐらいかな、一応。ドラマだと「ブラックジャックによろしく」か。まだまだ小説原作が主流だった時代から出演しているせいもあるだろうけど、改めて数えてみると、マンガ原作が少なくてちょっと意外。つーか、せっかくだから「翔んだカップル」を読んだらどうだろう、山葉圭ちゃんを演じた者として(笑)。映画当時に読んでるのかなー。
関係ないが、「矢東薫子」と「薬師丸ひろ子」は、音の構成が似ている。……と思って、もしやアナグラムになっているのか?と試してみたけど、全然関係ありませんでした(笑)。
ドラマは、残すところあと2話のようですね。全10話かー。早いなーついこの間始まったばかりのように感じるのに…。なんかこのドラマはいつにもましてあっという間な感じ。それだけ夢中になって見ているということかしらん。終わるのが寂しくもあり、早く結末が見たくもあり。上手いことすべて収まる結末があるんかなー。予想がつかない。果たして越前弟が改心する日は来るのか?そちらも注目されるところです(笑)。
そういや越前さんの場合は、ノートを開けばキャラ達がマンガの中へ戻るのに対し、百合子さんの時はどうやっていたのだろう?原稿だと、開く、という作業はありませんよねえ。原稿をめくると…か?