3月16日(土) 日テレ 21:00~ 「泣くな、はらちゃん」第9話放送
ダメな神様
やっぱり百合子さんのことでしたねえ…。しかし、ひろ子の全力疾走を見るのは、「今度は愛妻家」以来でしょうか、足の速い学級委員健在!?(笑)
「Q10」や「全開ガール」ではなかったよな、あったかな?忘れてもーた。
一方越前さんは体育の授業や運動会に相当苦い思い出がありそうで…(笑)。
わかるわかるよその気持ちーと思ったけど、徒競走していると勘違いしたはらちゃんが「越前さん、負けませんよー!」と笑顔全開で追い越していく様が、非常にマンガっぽくて良かった。越前さんのモップ(追記・モップじゃないや、デッキブラシか?)の構え方も(笑)。
しかしどうですかねえ…パートリーダーの百合子さんのことは逃げるなと引き止めておいて、自分は現実を捨ててマンガの中へ行ってしまうとは……。予想された展開ではあるけれど、それこそ無責任じゃないのか。だって工場長代理なのに……。短期間のうちに、工場長と工場長代理を失う工場って……。…ハッ!もしかして百合子さん、パートリーダーから工場長へ大抜擢!?(ブック○フ的な?)
…などという妄想は置いとくとして、百合子さんを引き止める時にユキ姉が「私達を作り出した責任がある」「ちゃんと見届けなさいよ」と言っていたけど、それって越前さんにも当てはまることじゃないのかな。
越前さんははらちゃんとの恋愛のほうに重きがあるからああなってしまうけど、冷静に考えればマンガの中に入っていくことで果たせる責任ではないわけで。だってあのノートを放置していたら、「神様」が描かなくなったら終わってしまう世界なんでしょう。そしたら、描き手である越前さんが現実から消えてマンガの続きがなくなるということは、あの世界を消滅させる手段をとったことにならないか。ずっと一緒よという約束の通り、はらちゃんと一緒に消え行く、それでいいということなのか。でもそれってはらちゃんとの約束なだけで、他のキャラ達には関係ないことだし…。まあ順当に考えれば、百合子さんがノートのあとを引き継ぐとかいろいろ手はあるだろうけど、それもなんかちょっと違うような気もするし…。よく考えたら、原作者が二次創作者の責任をとる、あとを引き継ぐってのもおかしな話でしょう…。マンガ家を辞めて別の生きかたを決めた人に対して、マンガ家復帰を強要できるわけもし…趣味で描くのももう出来ないのかもしれないのに…。今回の一連の騒動が刺激となって、また創作魂に火がついてマンガ家復帰、ってなるならいいんだけど。それでも二次創作者のキャラを引き継ぐってのはなんか違う……と思うし。たまちゃんの扱い、どうなる?
ユキ姉が百合子さんを引き止める時に、軽く越前版マンガの批判になってたのは笑った(笑)。(矢東版では)いろんな場所を描いてくれたし、絵ももっと上手だったし、いろんなことしゃべれたって(笑)。
それ聞いて、もしかしたら百合子さんが越前さんをアシスタントで雇ってマンガ家復帰エンドもアリかなーなんてチラっと思ったりもしたんだけど、そもそも「神様の責任」ってのもここまでくるとなんかよくわかんない気もしてきて。いったいどこまでいったら責任とったことになるのだ?ずっと同じキャラで作品を描き続ける人もまあいることはいるけど、ほとんどの場合は違うわけで。どんな形にしろ、最後は描かれなくなって忘れられる→キャラ達の死、という展開は同じだと思うんだけどなあ…。一応きちんと作品上の結末をつけてあげれば、成仏…みたいになるのか?それとも結末がつけば、後はキャラ達が勝手にその世界で生きていく…のか?要は未完で放置するのがいけない、ということ?うーむ難しい。ハッピーエンドなマンガばかりじゃないしなあ…。
そういえば、矢東版はらちゃんはどういうタイトルだったんだろーか。やっぱり「泣くな、はらちゃん」だったのかなあ?
つーか、越前さんがあの方法で、マンガの世界に入れたのにビックリ。
その後のお母さんの反応にもビックリ(笑)。「いい笑顔だわ~あの子」って、肝っ玉デカすぎるだろ(笑)。
越前さんも半信半疑でとった手段っぽいけど、亡くなった工場長をマンガの中で蘇らせるという展開がきちんと伏線になってますね。だけどあれ、亡くなった人だから可能なのであって、まさか生きている人間でも可能とは思わなんだ。たとえばはらちゃん達は現実の世界に出てきても、食事はするけど、睡眠を必要としない、おそらく排泄もしない(でも怪我はするっぽい)。てことは、生きている人間である越前さんがマンガの中へ入った時はどうなるのか?越前さんも睡眠や食事を必要としなくなるのか?すると、一度マンガのキャラになってしまったら、この後現実世界に戻っても、はらちゃん達と同じくマンガのキャラとしてそのまま睡眠を必要としない体になっているのか?とかいろいろ謎すぎる。どうもユキ姉だけが記憶を持っているのも、ただの偶然というか、特に整合性つける感じもなさそうだし、あまり深く考えてはいけないところでしょうか。
越前さんがもしや現実を捨てる…?という可能性に百合子さんがいち早く気づいたのは、さすが(元)マンガ家の性?今回の百合子さんのラストショット(ノートを見つめてる顔)の表情がすんごく良かったなー。好き。驚きと、そしてなんともいえぬ微妙な顔つきで。工場の事務所で怪我したキャラ達を手当て→マンガの世界へ帰っていくという一連のシーンで、ずーっと母の目で見守る感じなのも良かったなー。特に消えていくユキ姉の後のショットとか。ちょっと瞳潤んでて、慈愛っつーか、なんかすごく優しい表情だった。
初めて人を殴って、そのことにショックを受けたかのように呆然としているはらちゃんに、ふっと気づくんだけど、敢えて何も声をかけずにいたシーンも良かった。
あのシーン、何しろその呆然としているはらちゃんの様子が素晴らしいのだけど、その後他のキャラ達がマンガの世界に帰りたいと言い出すのに、はらちゃんだけはそうは言わない。代わりに越前さんがノートを復活させる、この辺の感情の動きが、すごくよく出来てたなーと感心しましたです。
あとはらちゃんの最後の、越前さんに「ずっと一緒にいましょうね」と言われて「はい!」と笑顔で答える、でも必ずしもその笑顔は今までと同じではない、すごく複雑な感情がある、というのが見てとれるあの表情はスゴイと思ったです。その笑顔一つで、この先、おそらくはらちゃんは(少なくとも一度は)越前さんを現実世界へ帰すだろう、という予感を視聴者に与える絶妙な表情だったと思います。
百合子さんが越前さんに言っていた、人はハッピーエンドの後も生き続けなければならない、大変なのはハッピーエンドの後なのだという言葉、あれと同じ(意味の)言葉をなんかのマンガで読んだ気がするんだけど、思い出せない。山口美由紀の「プリンセス症候群」だったかなあ。でもなんかまた別のマンガでもあったような気がするんだけど、思い出せなくてモヤモヤ~。小説か映画だったかしらん。