3月23日(土) 日テレ 21:00~ 「泣くな、はらちゃん」第10話(最終話)放送
あまりに時間が経ちましたので、サクッと感想。…できるだけ(笑)。
一番大きな感想としては、まあ一番無難なとこに落ち着いたかな、ということ。
やっぱはらちゃんが三次元にとどまるには、きちんと人間になる以外方法はない→しかし、はらちゃんが二次元から飛び出してくるという現象の謎について、呼び出し方法以外言及されることはなかった→つまり、二次元⇔三次元の成立条件が示されることがなかったということは、はらちゃんが三次元に定着する条件も示されるはずがなかったんだなあ…と。だから結局謎は謎のまま、いつでも二次元⇔三次元を行き来できる状態で終了…なのは、順当といえば順当。最初からそこにSF的条件が存在していたのであれば、結末もSF的決着がなされて、現象が終了したり、あるいは自分達で完全コントロールできるようになるとかあったんでしょうけど、一番大事なのはヒロインである越前さんの成長であって、非現実的な現象そのものの謎は解かなくても、そこは可能だもんなー。
その越前さんの成長が全話を通して徐々にゆっくりと描かれてきたのに、最終話直前になって、マンガ世界へ逃げ込むという、それまでの成長を一気にふいにするような急転直下の展開になったもんだから、そこを最終話一回分だけでもう一度完全なる成長へと引き上げるために、はらちゃんに説明セリフがやや多くなってしまったのは、ちょっと残念だったかな。説明セリフというかお説教セリフというか。いや、残念というほどではなかったけど、越前さんよりはらちゃんの学習能力のほうがはるかに上を行ってんだなあと改めて感じる感じ。でもそれも、元々はらちゃんは越前さんの理想のキャラなんだから、理想的なことを言ってくれるのは当然のことでもあるかと思ってもみたり。
さて、百合子さん。百合子さんが、越前さんやはらちゃんのためにとかそういう外からの事情なしに、誰かに強要されたわけでもなく、自ら内なる変化によって、マンガ家復帰を決めたのは良かったなあ。ホッ。
越前さん達と別れて居酒屋を出た後、そっとペン先を取り出し何かを決意するように晴れ晴れとした表情を見せて去っていくシーン、すごく良かった。あの演技を見るために、私の視聴のすべてがあったのではないかと思えるほど(笑)、すんごく素敵なシーンでした。
実を言うと、舞台をやった直後のドラマだったので、ちょっと演技を心配していたんですよね(まあいつものことですけど…)。やっぱりさ、舞台っていつもより声を張ったり、身振り手振りも大きくしなきゃならない部分があるだろうし、でもそれはテレビで見るにはやや大げさに見える可能性もあるわけで、その辺の影響があまり残っていないといいなあと思ってて。ドラマを通してその影響があったのかなかったのか、謎のパートリーダーという役をやるにあたっての謎に包まれた部分の演出からくるものも大きいだろうし、百合子さんの自由人っぽい独特の個性を出す必要もあったでしょうし、その独特さが、果たして役柄のせいかそれとも演技方法のせいかというのはどうも判別し難かったんですけど、最後の立ち去るシーンの自然さ・清涼感を考えると、まあ私如きが心配するまでもなく、ごく自然に役に溶け込んでいたのだなあと納得したりして。
ところで前にユキ姉との回想シーンでも映ってましたけど、百合子さんが持っていたペン先(入ってたケースはひろ子の私物だとラジオで言ってましたね。ちょうどその頃、何かのテレビ番組である女優さんが、ドラマ内で使っている小道具は実は私の私物だったりするんですよ~みたいなことを言っていて、それを聞いて、ひろ子もそういうことあるのかな?と思っていたりしたので、タイムリーにその話を聞けて嬉しかった)、かぶらペン(スプーンペン?)だったような。女性マンガ家ってGペン+丸ペンのイメージだったのでちょっと意外だったかな。よくよく考えたら絵柄の描線からしてみれば、なるほど!だけど。
あ、そうだ、それでその立ち去る直前のシーン。百合子さんが越前さんの耳元でささやいた一言。あれは何を言ったのか、結構話題になったらしいですけど、あれ見てて、てっきりその後越前さんとはらちゃんの会話で、「百合子さん、なんて言ってたんですか?」とか出てくるかと思ったのに、まったく出てこなかったから謎に思ってたんですよね。あれ?おかしいなって。カットされたのかな?とかいろいろ考えてたんだけど、そしたらまさかそれがひろ子のアドリブだったとは……。すごいビックリ。言われた後の越前さんの表情が、すごくハッとした感じ+でもとても綺麗な笑顔だったので、あの時にマンガ家復帰を伝えたのかなあとも思ったんだけど、それにしては一言の時間が短すぎる気もしたし…。果たして何を言ったのかなー。ひろ子は明かす気ないらしいけど、百合子という役としても、三ヶ月共演した仲間としても、何か一言言いたかったという話からすると、お疲れ様とか案外そういうごくごく簡単な言葉だったりするのかなあ…とか想像。
悪魔さんと田中さんも上手く行きそうで良かった。
この期に及んでまだピンとこない鈍い田中さんに、「お前だよ!」と宣戦布告的な告白する悪魔さん(笑)。「ホタルノヒカリ」最終話に次ぐ、名告白シーンといえましょう。やっぱこの二人でそのまま「プラスティックドール」やれたなあと思うけど、篤郎くん(17歳)をやるにはちょっと年上かー田中さん。
一度マンガ世界に入り済みの越前さんが、再び現実に戻ってきたらその時にはマンガの住人として現実に存在するようになる(睡眠いらない体質になる)のか、それともごく普通の人間としてごく普通に戻ってくるのかという謎は、アッサリ後者でしたけど(笑)、なんか越前さんだけ特例で自由に行ったり来たりできそうなのは、やっぱり越前さんがその世界の神様だから…なんだろうか?
思いが通じ合ったハッピーエンドの後をどう生きるか。その答えが描かれた最終回。…私的には、どんな方法であろうと安直にベタにはらちゃんが人間になって幸せになってくれてかまわなかったんですけど(笑)。いまだ二次元⇔三次元の事象の中にいる結末は、作ろうと思えばこれからいくらでも続編作れるという意味でまあウェルカムということで(笑)。
久々に夢中で見たドラマでした。面白かった!もし続編があったら、できれば矢東さん版のはらちゃんも登場させて欲しいなー。ニヒルなはらちゃん。見てみたい(笑)。